長3窓付きの封筒印刷で事務作業を効率化するポイントとは?

企業や自治体などから手紙を受け取る際、宛名部分に透明なフィルムなどが貼られ、文書に記載された住所が見える仕様になっている封筒を目にした経験がある方も多いのではないでしょうか。
封筒の一部が透明になっており、中身が見える仕様の封筒は「窓付き封筒」と呼ばれ、昨今では窓付き封筒のニーズが高まっています。封筒には、さまざまなサイズがあり、窓付き封筒にもいくつかのサイズがありますが、最もよく利用されているのが長3窓付き封筒です。
今回は、長3窓付き封筒の概要と窓付き封筒の活用が事務作業を効率化する理由についてご説明します。

長3窓付き封筒とは?基本的な特徴と用途

長3窓付き封筒は、その大きさや役割からビジネスシーンにおいて活用しやすい封筒です。長3窓付き封筒のニーズが高まっている背景には、どのような事情が関係しているのでしょうか。

長3窓付き封筒のサイズと特徴

長3窓付き封筒とは、中身が見える仕様となっている長3サイズの封筒のことです。封筒は大きく分けて、長形封筒、角形封筒、洋形封筒の3つに分けられます。このうち、長形封筒とは、和封筒とも呼ばれる、短辺に封入口がある縦に長い形の封筒です。
また、封筒のサイズは「長形〇号」、「角形〇号」といったように「号」という表記で表されます。長3サイズの封筒とは長形3号サイズのことで、横が120mm、縦が235mmの大きさの封筒を指します。
長3封筒は、A4サイズの書類を数枚、三つ折りにしてきれいに封入できるサイズです。また、定形郵便で送付できる最大のサイズでもあります。ビジネスシーンではA4サイズの用紙を利用するケースが多いため、A4用紙をぴったり封入できる長3サイズの封筒のニーズは高いのです。

窓の位置とその役割について

窓付き封筒の窓には、住所や名前などの宛名を表示させるための役割を持つものと宛名用以外に差出人やキャンペーン内容など、封筒の中身を見せるための役割を持つものがあります。
郵便局では、窓を設けることができる位置、宛名用窓の大きさ、宛名用以外の窓を設けられる位置を次のように指定しています。

・窓を設けられる位置
封入口から35mm以上、その他の3辺から12mm以上内側
・宛名用窓の大きさ
長辺が80mm、90mm、100mmのいずれか、短辺が45、55mmのいずれか
・宛名用以外の窓の位置
宛名用窓の位置から30mm以上空けた位置

また、次のような規定もあります。
・宛名は、窓の長辺に平行して見えるように記載する
・内部に記載した宛名が封筒内で移動しても、窓の外に隠れることのないようにする
・宛名を記載する用紙は裏の文字が透けて見えないものにする
・封筒の窓は薄い透明のものまたはこれに類するもので、容易に剥がれないように密着させる
・宛名を透視する窓の材料は、不透明度が20%以下のものである

窓付き封筒のメリットとデメリット

窓付き封筒のメリットは、封筒に宛名を手書きしたり、宛名ラベルを用意したりする手間が不要となる点です。送付する文書に送付先の郵便番号や住所、名前を記載すれば、窓から宛名部分を表示させられるため、事務効率を向上させられます。
また、文書内に宛先が記載されていれば、送付ミスも防げます。封筒に宛名ラベルを貼る場合、中身と封筒が入れ違ってしまうトラブルが発生する恐れがあります。また、誤発送を防ぐために確認作業が必要になる場合もあるでしょう。しかし、窓付き封筒であれば封筒と中身の組み合わせに配慮する必要がないため、効率的かつ間違いなく、文書を送付できるようになります。
また、悪天候の際には宛名を記載したインクが雨に滲み、見えにくくなってしまうケースがあります。しかし、窓付き封筒であれば封筒の中に宛名が記載されているため、雨水に濡れた場合でも宛名が消えにくく、きれいな状態で封筒を届けられます。
メリットの多い窓付き封筒ですが、デメリットもあります。それは、セロハンを使用した窓付き封筒に印刷をする際、レーザープリンターなどを使うと窓部分のセロハンに熱が加わり、しわが寄ってしまう可能性がある点です。また、グラシンを使用した窓付き封筒の場合は、湿気で窓部分にしわが寄るケースがあります。

長3窓付き封筒の印刷オプションとカスタマイズ方法

長3窓付き封筒は、市販されているものもありますが、封筒印刷を依頼すると社名や住所などを記載する必要もなく、より事務効率をアップさせられます。
長3窓付き封筒の印刷を依頼する際のカスタマイズ方法についてご説明します。

印刷可能なカラーと用紙の選択肢

封筒印刷を依頼する場合、自社のイメージカラーや事業のイメージカラーなどに合わせて用紙やインクの色を選べます。また、コストを抑えたい場合は未晒しのナチュラルな雰囲気を演出できるクラフト紙、フォーマルな用途に用いるケースが多い場合は格式高い雰囲気を持つ白色のケント紙を選ぶとよいでしょう。その他、宛名以外の文字が透けにくいよう、透けない加工がなされている用紙を選ぶことも可能です。
用途や自社のイメージに合わせて、インクや用紙の色や種類を選択しましょう。

ロゴやデザインの追加方法

オリジナルの封筒はブランディングにも効果的です。会社ロゴを印刷すれば、受け取った人はどこから送付された書面なのか、一目で差出人を認識できるようになります。また、会社のブランドメッセージやスローガンなどを印刷してもよいでしょう。
ロゴがある場合は、封筒印刷を発注する際にロゴデータを添付し、ロゴの挿入位置を指定すれば、希望する箇所に会社ロゴを添えて印刷することができます。また、印刷会社によってはロゴを書き起こし、データを作成する作業にも対応しているケースがあります。ロゴの挿入を希望する場合は、封筒印刷の会社に相談してみることをおすすめします。

無料テンプレートの活用方法

封筒印刷時には、会社名や住所、電話番号、ウェブサイトのURLなどを記載するケースが一般的です。リーズナブルな価格でオリジナル封筒の印刷を行いたい場合は、無料のテンプレートを活用するとよいでしょう。
例えば、封筒の達人では長3窓付き封筒を始め、さまざまなサイズの封筒に対応できる無料のテンプレートを用意しています。宛名をサイトからダウンロードすれば、手軽に封筒デザインの作成ができます。

封筒印刷の加工オプションで差をつける

封筒印刷の加工オプションで差をつける

封筒印刷を依頼すれば、用紙やインクの色、デザインも自由に選べるため、オリジナリティの高い封筒が作れます。また、機能面でも自社に合わせたものを選べるため、競合他社と差をつけられるといったメリットがあります。封筒印刷の加工オプションの例をご紹介します。

透け防止加工とその効果

白色や明るい色の封筒は、受け取る人に明るく、清潔なイメージを与えます。しかし、封筒の色が薄い場合、中身の文書が透けて見えてしまう恐れがあります。個人情報を記載した書類を送付するケースや機密情報を送付するケースなどは、情報が漏洩しないように最大の配慮をしなければなりません。
また、見積書や請求書などを送付する場合も、金額が透けてしまう恐れがあります。中身が透けないように、濃い色の用紙で文書を包むケースもありますが、重量が増えて郵便料金が高くなる恐れもあり、濃い色の封筒はカジュアルな印象を与えてしまうでしょう。そのような場合、透け防止の加工を施した用紙を活用した封筒が便利です。文書を受け取る相手にも配慮でき、料金の超過も防ぐことができます。

窓素材の選択:セロハンとグラシンの違い

窓付き封筒の窓部分に使用される素材は、大きく2種類に分けられます。1つは、セロハンです。透明性の高いフィルムのため、中身を識別しやすくなり、宛名もはっきりと表示できます。しかし、セロハンはプラスチック素材のため、受け取った相手は廃棄する際にセロハン部分を剥がすなどの手間をかけます。
また、窓付き封筒には窓部分にグラシンを利用するタイプもあります。グラシンは、グラシン紙とも呼ばれる紙の一種です。パルプを薄く漉き、高圧ローラーで繰り返しプレスをすると、凹凸のないツルツルのグラシン紙ができます。グラシンは紙ですが、透明度が高く、文字が透けて見えるため窓付き封筒の窓部分の素材として用いられています。グラシンは封筒本体と同じ紙素材のため、廃棄の際に分別する必要がなく、そのまま古紙回収に回せるといったメリットがあります。ただし、グラシンには耐水性はあるものの、パルプは吸湿する性質があるため、湿気が高い場合などはしわができやすくなります。
それぞれ長所と短所があるため、窓付き封筒の印刷を依頼する際には、より自社の考えにあった素材を選ぶとよいでしょう。

のり付き・テープ付き封筒の特徴

封筒に文書を入れて封入した後は、必ず封緘の作業が必要ですが、のり付き封筒とテープ付き封筒は、この封緘作業を軽減します。
のり付き封筒は、封筒のふた部分にのりを塗って乾燥させたものです。封入の際にふた部分に水を塗ってから押し付ければ、簡単に封緘ができます。封緘の際にのりを用意する必要がなく、のりが中身の書類に付着したり、机に付着する恐れもありません。
また、テープ付き封筒は、封筒のふた部分に両面テープのような形状の粘着テープを貼り付けたもので、封入の際にテープについている剥離紙を剥がして封緘する封筒です。水も必要ないため封緘がしやすい仕様となっています。

長3窓付き封筒印刷の発注から発送までの流れ

長3窓付き封筒のメリットや加工オプションなどをご紹介してきましたが、ここでは封筒印刷を発注する際の流れについてご説明します。

オンライン注文の手順と注意点

封筒印刷は、オンラインで注文が可能です。用紙やインクの色、印刷部数を選択し、封筒のデザインを添えて発注します。封筒印刷は、発注部数が少ないほど1枚当たりの単価が高くなります。長3窓付き封筒を大量に利用する予定がある場合は、少数ずつではなく、まとめて印刷を発注するようにしましょう。

発送スケジュールと納期を確保する方法

印刷会社によって納期は異なります。急ぎで使用したい場合などは、見積もりの際に納期を確認しておくとよいでしょう。

了承事項を確認して発注ミスを防ぐポイント

オンラインの封筒印刷では、対面で注意事項などの説明を受けることはありません。手軽に注文ができる分、人件費が抑えられ、価格を抑えた印刷が可能になるのです。
注文時には、注文前に了承しなければならない事項が記載されているケースがほとんどです。細かい内容にはなりますが、しっかり内容を確認し、注意事項を理解したうえで発注するようにしましょう。また、気になる点があれば、メール等で事前に問い合わせをし、不安のない状態で発注することをおすすめします。

用途に応じた長3窓付き封筒の活用例

長3窓付き封筒は、さまざまなビジネスシーンで活用されています。主な長3窓付き封筒の活用例をご紹介しましょう。

請求書や見積書の送付に最適な理由

多くの企業では、請求書や見積書の発送に長3窓付き封筒を利用しています。なぜなら、窓付き封筒を利用すれば、中身と封筒の入れ間違いを簡単に防げるからです。
万が一、ある会社に送付する予定だった請求書や見積書を別の会社に送付してしまえば、取引企業の情報漏洩につながり、大きな問題に発展する恐れもあるでしょう。
文書に宛名を印刷して送付できる窓付き封筒であれば、送付ミスが発生する可能性はありません。そのため、多くの会社では請求書や見積書の発送時には、長3窓付き封筒を利用しています。

ダイレクトメールやマーケティングでの活用方法

ダイレクトメールやキャンペーンのお知らせを送付する際などにも、窓付き封筒は利用されています。お得なお知らせや気になるキャッチコピーなどを窓からのぞかせるようにすれば、封筒の開封率が高まるでしょう。
宛名部分以外にも窓の設置は可能なため、長3窓付き封筒は集客ツールとしても有効に活用できるのです。

経理部門での使用例とその利便性

窓付き封筒は給与明細を封入する際にも活用できます。万が一、宛名ラベルの貼り間違えがあれば、同僚や上司、部下などの給与額が判明し、トラブルになる恐れがあります。しかし、封筒の窓から社員の名前が表示できるようになれば、封筒の渡し間違いが起きる恐れはありません。

まとめ:長3窓付きの封筒印刷で事務作業を効率化しよう!

長3窓付き封筒は、宛名ラベルを準備したり、宛名を記載したりする手間を減らします。また、中身と宛名を確認する必要もなく、発送ミスを招く恐れもありません。特に、請求書や給与明細などは、同じタイミングで大量に封入するケースが多いため、手間もかかり、発送ミスも発生しやすくなります。そのような場合、長3窓付き封筒は事務作業の手間を大きく軽減することが可能です。
封筒印刷を受け付けている印刷会社に長3窓付き封筒印刷を発注すれば、差出人名も印刷されたオリジナル封筒を作成できます。無料のテンプレートを活用しながら、事務効率を大幅に向上させる長3窓付き封筒印刷を検討してみてはいかがでしょうか。

【監修者コメント】

最も使い勝手のいい封筒サイズともいえる長3のサイズで窓付き封筒印刷をする時点で汎用性が高いので、事務作業を効率化するベースが出来ていると思いますが、ポイントのひとつとして管理システムとリンクさせての運用がオススメです。
窓付きの封筒を使用する目的は、封入した書類の一部をあえて窓から見えるようにすることですので、特に宛名や住所などの送付先情報が窓から見える書類作りがポピュラーになります。
その為、顧客や従業員などの宛名情報を管理するシステムを導入し、宛先情報の一括管理ができれば、請求書や明細書など定期的に送付する文書があれば毎回情報を入力する手間が省けますし、送付先のプリントアウトの漏れも防ぎやすくなるので推奨する方法です。
またオリジナルの窓付き封筒を作成すれば、封筒に電話番号や業務内容など企業や店舗情報を明記できるので、受け取った相手は封筒の面を見るだけで送り先がどんな相手なのか連絡先はどこなのかを認知できるというチラシや名刺代わりになる側面も持ちわせています。
そうすればわざわざ別途チラシや名刺などの販促物を配布する必要がなくなるので、こういった点もある意味事務作業の効率化と言えるかもしれません。

■監修者プロフィール
伊藤 友也さん
株式会社ウイングフォーム 代表取締役 伊藤友也

広告代理店勤務を経て、地元である埼玉県さいたま市地域の広告物に特化して取り組める環境をと思い、株式会社ウイングフォームを起業。主に企業や飲食店のチラシや封筒、ポスターなどのDTP印刷、ホームページ制作および広告代理業などを行い、地元地域のみならず各地域クライアントが「根差すPR」を目指して展開。会社やお店だけでなく個人の依頼も取り扱い、数量の少ない印刷物や小回りの利くちょっとした制作物を低価格で制作できるよう努めている。